リウマチ専門医・腎臓専門医として

地域に根差したかかりつけ医とは、幅広い知識を持って患者様の身体、心理面を横断的に診る総合医です。一方で、それぞれの医師は得意とする分野、専門として学んできた分野があり、それに関しては縦に深く学んでいます。当院の院長は主に大学病院でリウマチ膠原病領域、腎臓内科領域を学んできました。これらの分野では専門としている医師が少なく、かつ両分野共に長けている医師は多くありません。実際に大学病院で専門外来をしている中で、病状が安定した患者様を安心して紹介できる専門科の診療所が少ない、という思いを院長も抱えておりました。大きな病院ではどうしても待ち時間が長くなってしまう、病状が安定している患者様にとっては逆に病院に来ることが負担になってしまう、そのような時には当クリニックをご利用頂ければと思います。一人一人に合わせた病気の再評価、経過観察を行い、必要な時には速やかに関連医療機関との連携を取り、患者様にとって最善となるよう尽くします。

リウマチとは

~リウマチ疾患については日本リウマチ学会が認定するリウマチ専門医である当院長が対応します~

リウマチとは、関節や筋肉といった筋骨格系の痛み、こわばりを生じる疾患群の総称ですが、最も患者数が多い関節リウマチを指すこともあります。
ここでは主に関節リウマチについて説明いたします。

関節リウマチ(RA)とは

関節リウマチは、本来であれば細菌やウイルスなどの病原体を攻撃するはずの免疫機能が、何らかの原因で異常を来たし、自分自身の身体を攻撃してしまうことで、主に関節(手指、手、肩、膝、足、足趾、脊椎、肘、股、顎)に慢性的な炎症を起こし、腫れたり痛んだりする疾患を言います。

初期症状としては、朝起きた時に手足などの関節を動かすとこわばって動かしにくい、関節のあちこちが痛む、手足がしびれるといったことがあります。
また3ヵ所以上の関節に炎症がある、左右対称性に炎症がある、皮下に痛みのないしこり(皮下結節)があるという場合は、かなり高い確率で関節リウマチを発症していると言えます。
さらに炎症が続くと、軟骨や骨は壊れ、筋肉は萎縮し、腱や靭帯は弛緩・断裂し、関節は変形していきます。

このほか、微熱、倦怠感(身体のだるさ)、肺障害(間質性肺炎、胸膜炎)、心障害(心外膜炎、心筋炎)、末梢神経障害、眼症状(強膜炎、虹彩炎)、皮膚潰瘍などの関節外症状が現れることがあり、血管炎(悪性関節リウマチ)をきたすこともあります。

女性の患者数は男性の約3~4倍

女性の患者数が多いのも関節リウマチの特徴で、男性の約3~4倍と言われています。また、30~50歳代で発症することが多いです。
関節リウマチの発症には遺伝の関与が言われていますが、家族に関節リウマチの方がいたとしても、必ずしも発症するわけではありません。

リウマチの検査について

問診・診察で関節リウマチが疑われた場合には、診断をつけるための検査を行います。
主に血液検査、画像検査を行います。血液検査では、関節リウマチの炎症の有無や程度を調べる血沈(赤沈)やCRP、また関節リウマチで上昇しやすいとされる抗CCP抗体、マトリックスメタロプロテイナーゼ3(MMP-3)、リウマトイド因子(RF)などを測定します。

また画像検査では、X線検査で関節の変化を調べられるほか、MRIであれば軟部組織の様子を見ることも可能です。最近では早期診断、治療効果判定のために放射線被爆がなく、より簡便に行える超音波検査(関節エコー)が有用です。

関節エコーでは、滑膜肥厚、関節液貯留の有無、骨びらんなどの確認ができ、さらにパワードプラ法(低流速血流評価エコー)を用いることで、関節リウマチによる異常な血流の有無、その程度を確認できます。